単衣に入る前 の
贅沢 と云えば
「紗袷(しゃあわせ)」
その昔は 裏と表
紗生地を つなげたまま染め
そのまま 袷に仕立てる
いわゆる どんぶり
が 主流でしたので
「紗無双(しゃむそう)」
とも 呼ばれるコトが
多ございました。
近年 どんぶりの紗無双は
ほぼ 存在せず
「紗無双」と 云えども
裏と表を 別々に染め
袷に仕立てるのが 主流
更に 申せば
裏表 共に「紗」の生地を
使用したものも 非常に少なく
なっており
表が「紗」 裏が「絽」
の いわゆる
「紗袷(しゃあわせ)」と
呼ばれるものが メインと
なりつつあります。
また
紗袷 紗無双共に
今となっては
訪問着 や 附下の図案が
ほとんど
そんな中 ご覧入れたのは
非常に珍しい
紗無双 の 小紋
観世水 に 光琳蝶 で
ございます。
良質な 紗の生地も
手に入らなくなり
諦めていた のですが
思いがけず 生地が
手に入りましたので♪
裏と表 どんぶりでは
ございませんが
同じ機の 同じタイミングで
あがった 良質な紗の生地
下になる方には
白地に 水色の観世水を染め
上になる方には
紺色に染めた 無地に
光を抑えた 銀銀箔で
光琳蝶を飛ばし
てございます。
素敵でしょ^m^
着用時期 につきましては
現在 様々なご意見がございます。
紗袷や 紗無双は
モアレぐあい からして
盛夏にむけて
春の単衣前のみ
5月末~6月頭だけ
と仰る方もおられます。
しかしながら 現在は
休日のみ キモノが着れる
という方も多く
そんなコトを 云われてしまうと
着れるタイミングは
皆無に近く なりますし
また 作り手も
少しでも 楽しんで
いただけるように と
夏秋 両方着て
戴けるような 図案に
工夫されてらっしゃるモノも
多くございます。
故に
基本的には 描かれた
図案の季節 と その時の
気候に準じ
盛夏にむけた図案で あれば
5月末~6月上旬(または6月いっぱい)
秋草や 無季節な柄が
描かれているので あれば
9月上旬(または9月いっぱい)も
と 云ったところでしょうか。
今回 ご紹介した
観世水 に 光琳蝶 は
どちらも 基本的には
季節がある図案 では
ございませんので
6月いっぱい
9月いっぱい OK
ですが
良く似合うのは
夏前の 単衣に入る前と
気候によっては
9月上旬 くらいまで
が 素敵に映える気が
いたしますし 私なら
そうします。
・・・・・・・
「紗無双」
コレもまた
良質なモノは
「いつかは~」と 云っていたら
手に入らなくなるモノの1つ
と なりつつあります。
気になる方は お早めに
お声がけだけでも しておいて
くださいませね。
生地だけでも 抑えますので(笑)
小宮 たつみ より