着物を 日常着として
着てきたから
初めてわかることが
沢山ございます。
八掛や襦袢
雨コートなどの裾 が
1シーズンで切れるのは 当たり前
なので
そのことを 踏まえて
たとえ擦り切れても
お直しが利く ように
また
お直しがし易いような お仕立てを
最初からしておく のですが…
今年 袷の時期をおえて
何枚かの着物を
季節のお手入れではなく
思い切って 洗い張りに出しました
その全てに 共通していること
「穴」
袖振り底の穴…
袖丸み や 袖付けも…
昔の生地の方が どれも
ふっくらしてて 丈夫だったなぁ…
なんてことを思いつつも
それでも
『どお~りで 昔の人は若いとき
袖丈が長くて 年齢を重ねると短かく
袖丸も大きくなってたワケですよ!』
と 思わずにはいられません。
常着として愛用していた紬に
なれば なるほど…
だって 袖振り底の穴は
袖丈を詰めるしか方法がなく
袖丸みの穴 は
丸みを大きくするしかないのですもの…
最初に仕立てた時 に
袖丈 1尺4寸 にしておけば
洗い張りごとに
2分づつ詰めたとしても
1尺2寸5分まで行くには 私みたいに
3~4年毎に洗張りしたとしても
約7回…20年以上は持ちますものね
毎日着て暮らす人間が
最初から 1尺3寸で仕立てたら
2回…8年後には 1尺2寸5分の袖丈…
8年って まだ50代ですよ
トホホ…
年齢による見た目の印象
の問題だけでは 無く
常着として 着ていた先人の
お知恵でもあり 変な意味で
始末な人間と思われないように
「若い人は お袖が長い方が
華やかで良いわよ~」と
聴こえの良い言葉で
受け継がれいたに違いない(笑)
と実感した 今季でございます。
本場結城紬 だろうが
作家モノの着物 だろうが
こうして日々 着物で
何でもやってしまい
ボロボロになる 三女着物を通し
名前に左右されない
品物の良し悪しや
職先の得意不得意を 見極め
お願いする職先を
事柄によって選ぶ目
お仕立ての仕方の研究 と
今季からご縁する着物は
思い切って 袖丈1尺4寸にしてみようかなぁ~
そうすると 襦袢もかぁ…
それもそうですが
ちゃんと作り手さん達とも
この現状を共有し より良い
モノづくりに生かしていただかなくては!
と思う 三女でありました。